20170926・165号ゲリラにとっての投資とは12ーコンテクストを作れ

平成29年9月26日 Street&Book Smart165号

【ゲリラにとっての投資とは12ーコンテクストを作れ】

    合田啓作(ごうだけいさく)             ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<配信開始から455日以上に渡って継続中の
Street & Book Smart& Highlight(ハイライト)>

1.『コレクションと資本主義』
水野和夫・山本豊津氏

2.【ゲリラにとっての投資とは12ーコンテクストを作れ】

今回のメルマガは上記のような構成です。
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■今日は、朝から授業×5。

その後、移動して授業1。

夜は遠隔映像授業です。

■合間に読書。

『資本主義の終焉』がベストセラーになった、

水野和夫氏と、

日本で初めて現代美術を扱った(とされる)

東京画廊の山本豊津(ほづ)氏。

両者が芸術と資本主義の共通点について語り合った対談です。

めちゃくちゃ面白いですよ!!!

一部引用します。

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1.『コレクションと資本主義』

水野和夫・山本豊津氏

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□「「蒐集」は「収集」と発音は一緒ですが、

微妙に違います。

「収集」がたんに「集める」という行為を表すのに対し、

「蒐集」は自分たちの価値基準に応じて分類し、

選別しながら蒐めるというニュアンスが強い。」

□「ベストセラーになる本は、

本人や編集者が予想していた以上の価値の転換と飛躍を遂げる。

絵画の値段もまさに価値転換と飛躍です。」

□「たとえば私が木の枝とコンクリートの作品を売る場合、

「どうしてこれがこの値段になるのか?」

という理由をきちんと説明します。

そのアーティストがどんな人物で

現代アートにおいてどういう位置にいるのか

その作品が作者にとってどのような意味があり、

それがこれまでのアートの歴史のなかでいかなる意味をもつのか。

その作品の魅力がどこにあり、

その価値が今後どう評価されていくかなどを

こんこんと語るのです。」

□「イメージや物語は、どんどん膨らんで大きくなります

それは人間がもつ想像力や創造性に関係があるからでしょう。

その一方で、現実的な有用性はつねに有限です。

たとえばトイレットペーパーは生活には不可欠ですが、

その有用性がどんどん膨れ上がっていくことはありません。

物語や想像力というのは受け手によって大きく変わるし、

現実ではなくバーチャルなものであるがゆえ、

有用性の限定を受けずにすむ。

コンテクストによる価値創造が行われつづけられるほど、

価格は確実に上がっていくといえるでしょう。」

□「李王朝時代の王室の行事や風習をまとめた

「儀軌類図書」の返還ですね。

2010年に日韓併合100年ということで

韓国の代表団が日本を訪れ、

時の首相であった菅氏が返還を認めました。

それとは対照的なのがフランスです。

フランスも同じく「儀軌類図書」の返還を求められましたが、

「5年ほとの貸与契約更新」という方法で対応した。

実質は返還ですが、

所有権はあくまで手放さず

韓国に「貸与する」というかたちにしたのです。」

□「利休の茶の湯の世界は洗練された日の世界。

それまで戦いに明け暮れていた全国の大名にとって、

それは新しく、自分を高めてくれる世界でもあった。

堺の商人であった利休は

そこで茶の湯に使われる「茶器」の価値を上げていきます。

つまり「わび」「さび」というコンテクストによって、

原価は決して高いものではない茶器が、

貴重品として価値を高めていった。

秀吉は茶器を論功行賞に利用すると同時に、

それを積極的に購入させることで

大名たちの経済力をそちらに向かわせたのです。」

□「価値というのは、何かを集めることによって生まれます。

たとえばバラバラの情報をテーマに沿って集め、

1冊の本にすることで書籍としての価値が生まれる。

木材や石、金属などの資源を1ヶ所に集め、

腕に覚えのある職人を集めて加工することで

付加価値の高い商品が生産される。

人、資源、情報やスキルを集約することで新しい価値を生み出し、

それによって最終的にお金を蒐集するのが

資本主義だと考えればよいでしょう。」

□「ヨーロッパの人たちには

「よいものを価格が上がらないうちに買う」

という考え方が染み込んでいます。

つまり「花」ではなく「種」を買う、

言い換えればそれこそが「投資」です。」

□「戦前の財閥はちょっと違っていたのですが、

つくづく現代の日本人は、

投資や資産運用に向いていない民族だと思います。

花が咲いてから買っても、そのあとは萎れてしまうだけ。

高値掴みは投資でいちばんダメなパターンですが、

「具体」にしても「もの派」にしても、

無名のころに買っていったのは目ざとい外国人です。」

□「芸術とは、つねに反芸術によって延命してきたということです。

たとえば印象派の絵画などは当時、

アバンギャルドで反芸術的でしたが、

それが生まれることによって美術史は新しい命題を獲得し、

存在意義を見出した。

その後もキュビズムやダダイズム、

コンセプチュアルアートなど、

既成の価値観を壊そうとする芸術は

つねに新しい問題意識と表現を獲得し、

次代につながっていきました。」

□「日本では村上隆や奈良美智がその(マニエリスム)の代表です。

作品のメッセージ性というよりも、

技術のための技術、表現のための表現という側面が強い。

たとえば村上隆のオタク系の世界で

もてはやされていたフィギュアなどの表現を模倣し、

作品化したという行為はまさに、

一種のマニエリスムでしょう。

そうしたカラクリをすべて知ったうえで、

彼はその閉塞状況すらも1つのネタにしてしまう。

それによって表現活動を広げ、

絵画を商品化し、

新しい経済活動へとつなげているのです。」

『コレクションと資本主義』

水野和夫・山本豊津氏
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■それでは、
「今日のStreet & Book Smart; Highlight(ハイライト) 」
(教育やビジネスにおいて、最高の結果を発揮するための重要ポイント)
 をどうぞ。

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3.【ゲリラにとっての投資とは12ーコンテクストを作れ】

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「コンテクスト」を手元の辞書で調べると、

1文章などの前後の関係。文脈。

2事件や出来事にかかわる事情・背後関係

とあります。

■じゃあ「コンテクストを作れ」とは?

■それは、

▲蒐めて

▲前後・背景関係を作り

▲その流れの「新しい場所」に位置付くことで

新しい居場所と価値を作る

というイメージです。

■例えばマンガ。

私(合田)の家にはいくつかのマンガ・全巻がありますが、

これらは、

「おさえがたい蒐集欲」

「おさえがたい前後をはやく知りたい」

という欲求、

言い換えれば「コンテクスト」の磁石に惹きつけられた代物です(笑)

みなさんのお宅にもありませんか?

■上記で引用されている

「マニエリスム」とは、

「マンネリズム」を語源に持つフランス語で、

過去の技術や装飾を模倣する美術様式を指します。

■これはなにも美術だけじゃなくて、

▲ファッションでも

▲音楽でも

▲受験業界でも

どこでもありますよね?

■例えば、

80年代のファッションがリバイバルする、

70年代後半のテクノがリバイバルする、

90年代の実況中継スタイルがリバイバルする、

といった形です。

■コンテクストを作るには「共犯関係」が必要で、

例えば、

▲ファッションデザイナー

▲編集者

▲ショップ

▲カリスマモデル

の共犯や、

▲教会

▲美術作家

▲画商

の共犯など、

複数のプレイヤーが「共犯関係」を作るからこそ、

「コンテクスト」も増幅され、拡張される。

■過去の「コンテクスト」と

現在の「コンテクスト」の違いを考えると、

過去、コンテクストを作っていたのは、

▲美術館・博物館

▲大学

▲放送局・出版社

▲教会

など、巨大な資金と権力を持つ組織でしたが、

現在のようにインターネットが張り巡らされ、

個人が直接、価値の交換をできるようになると、

恐らく「コンテクスト」を作るのは、

▲各分野の蒐集を続け

▲かつ発信も続け

▲信用を蓄積してきた

▲個人

になる可能性が高いですよね?

■そうなってくると、

▲美術館・博物館

▲大学

▲放送局・出版社

▲教会

などの価値は、

「コンテクスト」を現在進行形で作れる力ではなく、

過去に「コンテクスト」を作った歴史的遺産、

言い換えれば「過去の時間価値」になるのではないでしょうか。

■どの世界で、

▲蒐集を続け

▲かつ発信も続け

▲個人間で共犯関係を作るのか

というのは、重要なポイントではないでしょうか。

☆今回の関連バックナンバーはこちら

154号・ゲリラにとっての投資とは1ーまずは肌感覚から

155号・ゲリラにとっての投資とは2ー自分たちの資金を自分たちで稼ぐ

156号・ゲリラにとっての投資とは3ー自らの種銭から行動せよ

157号・ゲリラにとっての投資とは4ー鵜呑みにせず・自ら調べよ

158号・ゲリラにとっての投資とは5ー信用を創造せよ

159号・ゲリラにとっての投資とは6ー価値補強のために借りる

160号・ゲリラにとっての投資とは7ーキャッシュ・フローを生め

161号・ゲリラにとっての投資とは8ー将来価値>目先価値

162号・ゲリラにとっての投資とは9ーすべての法則を破れ

163号・ゲリラにとっての投資とは10ー論理よりも感情に気をつけろ

164号・ゲリラにとっての投資とは11ー売り手にも買い手にもなれる

3 【ゲリラにとっての投資とは12ーコンテクストを作れ】
・サマリー

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【Street & Book Smart Summary】┃
┃                ┃
┃■個人が直接、価値の交換を     ┃
┃                ┃
┃できるようになると、          ┃
┃                ┃
┃「コンテクスト」を作るのは、    ┃
┃                ┃
┃▲各分野の蒐集を続け        ┃
┃                ┃
┃▲かつ発信も続け          ┃
┃                ┃
┃▲信用を蓄積してきた        ┃
┃                  ┃
┃▲個人               ┃
┃                ┃
┃になる可能性が高い         ┃                
┃                ┃
┃■そんなとき            ┃
┃                ┃
┃▲蒐集を続け            ┃
┃                ┃
┃▲かつ発信も続け          ┃
┃                ┃
┃▲個人間で共犯関係を作るのか    ┃
┃                ┃
┃というのは、            ┃
┃                ┃
┃重要なポイントではないか      ┃
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