20170920・161号ゲリラにとっての投資とは8ー将来価値>目先価値

平成29年9月19日 Street&Book Smart161号

【ゲリラにとっての投資とは8ー将来価値>目先価値】

    合田啓作(ごうだけいさく)             ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<配信開始から445日以上に渡って継続中の

Street & Book Smart& Highlight(ハイライト)>

1.『日本人はなぜ株で損するのか?』

藤原敬之氏

2.【ゲリラにとっての投資とは8ー将来価値>目先価値】

今回のメルマガは上記のような構成です。
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■今日は、朝から授業×4。

その後、移動して授業×2です。

■合間に読書。

「波多野聖」名義で小説家として活動される藤原氏。

もともとは、

農林中金→クレディ・スイス→日興アセットマネジメント

でファンド・マネージャーとして活躍されていた方です。

『日本人はなぜ株で損するのか?』

は2011年5月20日に

京都大学で行われた特別講義を書籍化したもの。

以下、一部引用します。

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2.『日本人はなぜ株で損するのか?』

藤原敬之氏

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□「(当時上司だった岡本恭彦氏から)

『藤原、情報のやり取りというのは、

インサイダー情報を交換することじゃないんだぞ。

互いの『切り口』の交換が本当の情報交換なんだぞ

というものだったのです。

この言葉のお陰で、

僕は4半世紀も相場の世界で生きてこられた

といっても過言ではありません。

自分で考え自分のオリジナルな意見を作る努力を怠らないこと、

それがプロの世界でいかに重要かということです」

□「誤解を恐れずに言いますが、

運用ビジネスは洗練された詐欺といえます。

自分達の運用の哲学や手法、体制、実績等

から作り上げた運用商品を提示して

顧客を説得し資金を獲得するのです。

その資金がリターンを生むかどうかは

最終的にマーケット次第ですし、

どんなに頑張っても

下げ相場でリターンを得ることは出来ません。

元本を割って損が出たとしても

それは顧客の自己責任であり、

運用会社が損失補填など行いません。」

□「人間であろうとコンピューターであろうと、

どのような運用手法であろうと、

常に良い結果を出せる(常に市場を上回る銘柄の選択が出来る)

絶対的なものはこの世には存在しないことは申し上げておきます。

ある局面では良い結果を出せた運用手法も

別の局面では最悪の結果を招くのがこの世界の常です。

だから相場は難しく面白いといえます」

□「大事なのは、

これらは「道具」にすぎない

という意識を持つことだと思います。

学説や思想に固執してしまうと

「正しく間違う」ことをやりかねないです。

プロフェッショナルとしては

それに常に留意しておかねくてはならないと思います。」

□「【情報の次元認識】

・1次的情報:生の情報(4半期業績数字・鉱工業生産etc)

・2次元情報:アナリスト情報・記事情報

・3次元情報:自己の理解・洞察(普遍化・抽象化)

次元間の不断のフィードバック(差異認識)こそが重要」

□「シュンペーターは言います。

資本主義を資本主義たらしめるのは、

利潤追求でも市場機構でも私有制度でもなく、

信用機構であると。」

□「大事なことは

「株価はそれを指し示してくれる」ということです。

我々の洞察よりも正確に株価は認識している

と言って過言ではないのです。

それぐらい株価のほうが確かです」

□「株価にフェア・バリューは存在しない。

過大評価と過小評価のみ、ということです。

つまり適正株価などないのだということです。

「今の株価が適正な株価だ」としてしまうと、

そこで思考が止まってしまいます。

静態的な思考に陥ってしまうのです。

僕は株式運用では絶対に思考を止めてはならないと考えています。」

□「『今我々に100万円預けてくれたら、

5年後に200万円にして返します』

という話には絶対に日本人は乗りません。

しかし、

『元本保証で今どき年10%の高利回り。配当は半年毎』

という話にはコロッと騙されてしまいます。

この詐欺のポイントは預けて半年後には必ず

「今まさに手触りのあるお金」が「配当」として

現実に支払われる事にあります。」

□「「5年後」という「将来」には価値を置きませんから

興味を惹かれませんが、

「元本保証」で「今」が保証され、

半年後=「目先」に手触りのあるお金が入ってくる

ことには惹かれてしまうわけです。

しかし、投資に最も大事なのは

「将来」というビジョンを持つことに他ならないのです。

「将来」は「今」の延長線上にあるのではなくて、

今とは全く別のモノと考える

或いはイメージしてそこに価値を置くことなのです。」

□「香港に出張した時のことです。

その時に現地で同行してくれた

証券会社の女性セールスマンがいました。

歳は25,6歳くらいだったと思います。

僕は彼女に「どんな男性と結婚したい?」と質問をしてみました。

すると、間髪入れずに「投資の上手な人」と応えたのです。

これには驚きました。

日本人の女性からはまず返ってこない言葉だったからです。

彼女は続けて言いました。

投資が上手な人が夫であれば、

世界のどこに行っても豊かに暮らせる、と・・・。

僕はここに華僑の人たち、

故国を離れて生きている人たちの生き方の核を見たように感じたのでした。

日本人の「今が大事」の大きな理由は、

今の自分が住む日本という世界が

永遠にそのまま続くと考えているからだと思います。

国を奪われたり追われたりしたことがないわけです。

だから、じっとしていても何とかなると考えてしまう」

□「バフェットが何故バフェットたりえるか?

それはバフェットが優秀なファンド・マネージャーであるから

だけではありません。

バフェットの成功の理由の3割はその能力にあると思いますが、

7割は別の存在にあります。

それは「顧客」です。

バフェットを信頼しておカネを託し続ける顧客の存在です。

将来の投資の成功を信じて目先の値下がりなどを気にせず

バフェットにおカネを託し続ける「投資家たち」です。

その存在のお陰でバフェットはじっくりと待って

長期的な値上がりを狙える銘柄をファンドに取り込むことが出来るのです。」

□「日本にはそのような顧客がいません。

日本で販売されている投資信託を見てもらうと分かりますが、

直ぐに解約されてしまいます。

そこには様々な理由がありますが、

最大の理由は

「日本人はおカネに関しては目先である」

という事実です」

『日本人はなぜ株で損するのか?』

藤原敬之氏
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■それでは、

「今日のStreet & Book Smart; Highlight(ハイライト) 」
(教育やビジネスにおいて、最高の結果を発揮するための重要ポイント)

 をどうぞ。

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2.【ゲリラにとっての投資とは7ー将来価値>目先価値】

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将来価値>目先価値。

私(合田)自身の過去を振り返ってみると、

いかに「目先価値」に目をくらまされていたことか(泣)

■たとえば、

▲お金について

▲食べ物について

▲時間の使い方について

▲働き方について

さまざまな側面で、

「目先価値」に目をくらまされていたことは、

嘘偽りのない事実です。。。

■藤原氏は本書で、

「もう1度言いますが、

我々(日本人)は本質的に投資に向いていないし、

投資が下手なのだという認識をしっかり持つ事が大事なのです。

投資に成功するには自己革命を行うしかない。

しかし、日本人は歴史を振り返っても

革命を起こしたことがないわけですから、

相似形で見て自己革命を起こすのは

至難の業だと考えた方がいいと思います。」

と断言されています(泣)

■なぜかというと、

▲西洋人=1神教=神との契約に基づき、理想的将来を思い描き、そこからの逆算を行って投資する

のに対して、

▲日本人=多神教=神との契約がなく、理想的将来像からの逆算と投資という概念がない

からだと、藤原氏は述べています。

■加えて、

日本史を振り返ると、

現世利益を追求し、革命を起こしたと思われる人物は2人しかいない。

1人は織田信長。

もう1人は足利義満。

2人とも、一般的な日本人とは違って、

「神を信仰しない、極端なニヒリスト」だったからこそ、

「今、生きているこの世界で、自分の野望を実現することに全力を注げた」

とも述べられています。

■華僑の女性の発言が象徴的ですが、

私(合田)も今まで、

「投資がうまい男性と結婚したい」

という日本人女性と会ったことがありません。

同様に、「投資がうまい女性と結婚したい」

という日本人男性と出会ったこともありません。

恐らくその前提として、

▲国を追われて、新天地で新しく生き抜いていく可能性

▲顕在化していない価値をいちはやく発見し、投資するという行動

▲目先の現金ではなく、将来価値を最大化すべく動く哲学

といったものは、

日本では触れられることもなく、

教えられることもなく、

思いが至ることもないからではないか、

と私(合田)は思います。

■ただし、

それはあくまで「今まで」の話であって、

本当に、これからもそれが続くのでしょうか?

▲人口が1億人を切り

▲減少し続けることは確定しており

▲65歳以上が人口の1/3を占め

▲国家債務が1000兆円を超えていて

▲年間歳入は約100兆円、うち約40兆円は公債金収入(将来世代の借金)

と、明らかに危機的な情報しかないですよね。

■こう考えていくと、

目先価値>将来価値

だったからこそ、借金が膨らんでいることは明白であり、

しかも、歴史上、国民性質上、

本当の危機が訪れるまでは、

将来価値>目先価値

に変換されることもないことは

恐らく規定路線だと思われます(泣)

■身近な現場でも、

目先価値>将来価値

という行動原理でいくと、

▲燒畑農業

▲相手の利益を毀損する

▲長期的価値・信用を犠牲にして、短期的利益をとる

▲今さえよければそれで良し

といったことになってしまう実例は大量にあり、

ただし、この行動原理で動くと、

▲利益を毀損された相手は怒り

▲長期的価値・信用を犠牲にした結果

▲その後、利益は逓減し

▲価値・信用の立て直しが極めて難しくなる

というのは明らかです。

将来価値>目先価値

の行動原理で動くには?

それには、まず日常のキャッシュ・フローがきちんと発生しており、

かつ、そのキャッシュ・フローを全て消費に回すのではなく、

将来価値への投資に振り向け、

投資した信用・価値から再びキャッシュ・フローを発生させる、

という行動原理、価値観を

身体に染み込ませることが必要ではないかでしょうか。

☆今回の関連バックナンバーはこちら

154号・ゲリラにとっての投資とは1ーまずは肌感覚から

155号・ゲリラにとっての投資とは2ー自分たちの資金を自分たちで稼ぐ

156号・ゲリラにとっての投資とは3ー自らの種銭から行動せよ

157号・ゲリラにとっての投資とは4ー鵜呑みにせず・自ら調べよ

158号・ゲリラにとっての投資とは5ー信用を創造せよ

159号・ゲリラにとっての投資とは6ー価値補強のために借りる

160号・ゲリラにとっての投資とは7ーキャッシュ・フローを生め】

3 【ゲリラにとっての投資とは7ー将来価値>目先価値】

・サマリー

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【Street & Book Smart Summary】┃
┃                ┃
┃■目先価値>将来価値       ┃
┃                ┃
┃という行動原理でいくと、    ┃
┃                ┃
┃▲燒畑農業           ┃
┃                ┃
┃▲相手の利益を毀損する     ┃
┃                ┃
┃▲長期的価値・信用を犠牲にして ┃
┃                ┃
┃短期的利益をとる        ┃
┃                ┃
┃▲今さえよければそれで良し   ┃
┃                ┃
┃という結果になる        ┃
┃                ┃
┃                ┃
┃■ただし、この原理は       ┃
┃                ┃
┃▲利益を毀損された相手は怒り  ┃
┃                ┃
┃▲長期価値・信用を犠牲にした結果┃
┃                ┃
┃▲その後、利益は逓減し     ┃
┃                ┃
┃▲価値・信用の立て直しが困難  ┃
┃                ┃
┃という結果をもたらす      ┃
┃                ┃
┃                ┃
┃■対策として、          ┃
┃                ┃
┃まず日常のキャッシュ・フローが ┃
┃                ┃
┃きちんと発生しており、     ┃
┃                ┃
┃かつ、そのキャッシュ・フローを ┃
┃                ┃
┃将来価値への投資に振り向け、  ┃
┃                ┃
┃投資した信用・価値から再び   ┃
┃                ┃
┃キャッシュ・フローを発生させる ┃
┃                ┃
┃という行動原理で動くことが   ┃
┃                ┃
┃必要ではないか         ┃
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┃発行者: (合田啓作)
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