20170726・121号どうやって集客・営業を行うのか?ーアーティスト杉本博司氏編

平成29年7月26日 Street & Book Smart 121号

■【どうやって集客・営業を行うのか?ーアーティスト杉本博司氏編

    合田啓作(ごうだけいさく)             ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
配信開始から395日以上に渡って継続中の

Street & Book Smart& Highlight(ハイライト)>

1.『物語論』

木村俊介氏著 引用

2.どうやって集客・営業を行うのか?ーアーティスト杉本博司氏編

今回のメルマガは上記のような構成です。
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■昨日は学習障害についての書籍を2冊勉強。

かつて私(合田)が小学生だったとき、

▲落ち着きがない

▲注意散漫

▲じっとしていられない

など、今振り返ると多分に学習障害的な要素があったことが判明しました(汗)

 

■今日は、これから2件面談。

その後夕方から授業×2です。

 

■今週は、
 
 
 
に引き続き、
 
▲どうやって集客・営業を行うのか?
 
▲集客・営業を行う上で障壁は何か?
 
というテーマで連投しております。
 
 
 
■今回は、アーティストの杉本博司氏。
 
私(合田)は、
 
▲フランス・パリ・カルティエ財団での大規模個展
 
▲東京・森美術館での能舞台
 
を直接見たことがあります。
 
めちゃくちゃカッコイイんですよっ!!!
 
肌理が細かくて、解像度が高くて、
 
シンプルかつ強度がある。
 
ずーっと見ていたくなるカッコよさでした。
 
 
■今回は、そんな杉本博司さんが行った(であろう)
 
営業・集客戦略について、
 
尊敬するインタビュアー木村俊介氏の書籍から引用してみます。
 
 
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1.『物語論』

木村俊介氏著 引用

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□「学校を出ると西海岸から

フォルクスワーゲンのピャンピングカーを運転して

アメリカを東海岸まで横断して、

ニューヨークで広告写真スタジオの助手になった。

ただ、いわゆる業界人は尊敬できなくてね。

先輩の写真を「この構図はダメだ」とか生意気に指摘するものだから、

すぐにクビにされました。

他にもいくつかのスタジオに行ったけど、

どこも半月も持ちませんでしたね。

 

□「仕方がないから自分の車でロケバスの商売をはじめることにしました。

当時、ダウンタウンの写真スタジオからモデルと衣装を車に載せ、

セントラルパークでカタログ撮影というような需要があったんです。

ロケ場所に送り迎えをするだけで日給は75ドルもらえて

家賃は月に125ドルほどだったから、

1ケ月に6回もロケバスをやれば生活はできました。

撮影のアシスタントは別にいるので、

1日じゅう何もやることがない仕事なんです。

だから車の中でほんとうにたくさんの本を読んだけど、

それが私の考えを作ったのかもしれない。」

 

□「ただ、デビューの方法だけは

「上から順番に降りていこう」

と決めていました。

下からはいあがるって、何でもほとんど無理じゃないですか。

だから、いちばん上からプレゼンテーションをすればいいし、

もしダメなら少しずつ降りていこうと決めて、

いきなりMoMA(ニューヨーク近代美術館)にプレゼンに行きました。

 

□「見せたのは

「自然史博物館に置いてあるジオラマを写真に撮る」

というコンセプトのものでしたが、

その頃の写真芸術の世界では王様のようだった、

MoMAの写真部長のジョン・シャーカフスキーが会ってくれたんです。

いきなり「おもしろい。買いましょう」と言われて足が震えました。

 

□「それでMoMAに作品が収蔵された実績で、

あちこちの奨学金をもらって作品を作るようになりました。

だから、当時の職業は賞金稼ぎみたいなものなのかな。

そうした奨学金で3年は生活できました。」

 

□「ほとんどの奨学金をもらうと応募するものがなくなるので、

妻がはじめた古美術商を手伝ってみたら、

これにはハマりましたね。

売るのはアメリカで、日本には年に4回買いつけに行くんだけど、

どんどん夢中になってきました。

はじめは京都の東寺の蚤の市に朝の5時に行くんです。

そこで業者と知り合うともっと安い地方の市を回るようになる。」

 

□「ものにまつわる人間の業の深さもあちこちで目にしました。

日本では財閥解体によって、

いわゆる欧米にいるとんでもない規模の富豪というのはあまり見かけないけど、

そのためか古美術に関しては業者がいちばんの目利きといった側面もある。

それで業者は地方を丹念に回るけど、

物々交換や、極端に言えば廃品回収に近いかたちで業者が手に入れた明治時代のタンスが、

東京や京都で数千倍や数万倍で売れている状況を目の当たりにしましたよ。

そういう価値が捏造される過程にとても興味がありました。」

 

□「そのうち、私は古美術商としてプリンストン大学美術館、

シカゴ美術館、メトロポリタン美術館などの

メジャーな美術館と取引をするようになっていったんです。

そのつながりもあり、お得意先でもあったメトロポリタン美術館で、

それまで私が約20年間に制作していた作品を集めた個展が開かれることになりました。

私の作品が急に売れはじめたのはそれからでした。

 

□「価値がなくなりにくいものは、

まぁ、シンプルなものじゃないですか。

装飾過多の作品というのも一時は人の目を奪いますが、

長くは持たないんですよ。

ずっと価値のあるものと思われ続けるかどうかは、

やはり人の心の源泉にまで触れられるかどうか

にかかっているのではないでしょうか。

『物語論』

木村俊介氏著 引用

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■それでは、

「今日のStreet & Book Smart; Highlight(ハイライト) 」
(教育やビジネスにおいて、最高の結果を発揮するための重要ポイント)

 をどうぞ。

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2.どうやって集客・営業を行うのか?ーアーティスト杉本博司氏編

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■復習すると、

写真スタジオで助手

→クビ

→NY・セントラルパークにロケバスを出す商売を始める

→バスの中で本を読み耽る

→作品を創りつつ、いきなりMoMAに売り込みに行く

→その場で購入してもらう

→MoMAの箔付けにより奨学金稼ぎになる(笑)

→妻の手伝いで古美術商になる

→日本の古典を買い、海外の目利きに売る中で

 商品になるものと普遍的な価値を持つものを見分ける訓練を大量に行う

→まずは古美術商としてアメリカの大手美術館とのパイプができる

→取引のある大手美術館で、古美術商ではなくアーティストとして個展を行う

→アーティストとして売れ始める

という一連の流れがありますよね。

 

■一貫しているのが、

【普遍的な価値を持つものへの関心と制作】

【上から攻める】

【上から攻めた人間関係と信頼の中で、価値を化けさせる】

という、【普遍的な価値】を【上から認めさせる】戦略であり、

【杉本博司氏】

【MoMAやメトロポリタンなど大手美術館】(需要者1)

【古美術のコレクター】(需要者2)

【杉本博司作品のコレクター】(需要者3)

とかかわる人がだれも損をせず、

価値を化けさせ、かつ流通させて儲かる仕組みを、

杉本氏が作り上げていますよね。

 

■▲どうやって営業・集客を行うのか?

まず、これが最も大きな問題だったでしょう。

アメリカにいる無名の日本人アーティスト志願者。

当初、杉本氏は「認知度0」なわけで、

しかも、「クビ」になったり、「本を読み耽ったり」、

とかなりわらしべ長者的な動きをしています(笑)

 

119号どうやって集客・営業を行うのか?ー予備校編

120号・どうやって集客・営業を行うのか?ーH・I・S澤田秀雄氏編

でご紹介したプロセスのうち、

【認知】→【期待値を(大きく)上回る好印象の形成】

→【行動開始】→【行動継続】【こまめなフォロー】

→【【期待値を(大きく)上回り、かつ満足度が限界まで上がる】

→【信頼関係の醸成】→【変化・成長】→【成果】

【期待値ー継続ー成果が一直線に並び、満足が感謝に変わる】

→【紹介の発生】

とありましたが、

杉本氏もまず【認知】が0からのスタートです。

 
 

■次に、

→【行動開始】

→【行動継続】

の過程で、

【いきなりMoMAに売り込む】→【作品が売れる】→【奨学金取得に利用する】

と歩を進め、

【こまめなフォロー】

の過程では、

【古美術商をする】+【アメリカ大手美術館をクライアントにする】

交渉とフォローを積み、「誰も損をしない仕組み」の基盤をを作り上げていきますよね。

 

■普通、古美術商がうまくいくと、

そちらを本業、アーティスト活動は辞めた!

となる人が多いのではないかと思うのですが、

古美術商を行いつつ、作品も創り続け、

最後にメトロポリタン美術館で個展が開催され、

▲メトロポリタン美術館→杉本博司の個展を全米の美術館でははじめて行い大喜び

▲杉本博司氏の作品コレクター→杉本氏の作品価値が上がり、大喜び

▲杉本博司氏の所属するギャラリー→杉本氏の市場価値が上がり、大喜び

▲古美術商時代の顧客→知り合いの古美術商の作品が有名になって大喜び

と、関係するすべてのメンバーが、

【期待値を(大きく)上回り、かつ満足度が限界まで上がる】

ことになります。

 

■誰も損をせず、なおかつ「大喜び」なわけだから、

→【信頼関係の醸成】

→【変化・成長】

→【成果】

の過程はかなり順調に進んだのではないでしょうか。

結果、私(合田)が説明するまでもなく、

世界的なアーティストとしての杉本博司氏の評価・市場価値

という【成果】が出ていますよね。

 

■杉本さんの学生時代からのこのエピソードは、

かなり勇気付けられ、かつ示唆に富むのではないでしょうか。

特に、アートや音楽、小説など、

不定形で「道なき道をゆく」読者の方には、

「上から攻める」戦略は有効なのではないでしょうか

 

■【美術館】【ギャラリー】【コレクター】

といった関係者といかに交渉し、

相手が得をする仕組みを巻き込みながら組織化していけるか?

102号・ゲーム・受験・ビジネスの共通点とは?

でご紹介した、「リボンモデル」をまさに地で行く発想と行動力で、

杉本さんの策士っぷりと普遍的な作品制作に舌を巻きました。。。

 

■どんな商売を始めるにせよ、

何を商材として扱うにせよ、

たとえアーティストであれ、

【消費者】×【供給者1】×【供給者2】×【供給者n】を洗い出した上で、

そのすべての関係者が損をしない提案をすることで、

営業・集客はスムーズに流れやすくなると、

H・I・S澤田氏とはまた別の形で私(合田)は学びました。

 

■澤田氏が

【1流ホテルのフロントマネジャー】が持つ

【ブランド力】×【バイト代稼ぎ】を最大限利用する

という戦略で攻めたように、

杉本氏は、

【MoMA】や【メトロポリタン美術館】という大御所をいきなり攻めています。

上から攻めろ、

信用は自力に拘らず補完せよ、

ということですね。

 

■明日も、集客・営業について続けます。

 

どうやって集客・営業を行うのか?ーアーティスト杉本博司氏編

・サマリー

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━

【Street & Book Smart Summary】┃
┃                ┃
┃■杉本博司氏は         ┃

 ┃【普遍的な価値】       ┃

┃【上から攻める】        ┃

┃【価値を化けさせる】      ┃

┃をポイントに          ┃

┃【大手美術館】         ┃

┃【古美術のコレクター】     ┃

┃【杉本博司作品のコレクター】  ┃

┃の誰も損をしない仕組みを    ┃

┃組織化する中で集客・営業していた┃

 

┃■どんな商売を始めるにせよ、  ┃

┃何を商材として扱うにせよ、   ┃

【消費者】×【供給者n】      ┃

┃を洗い出した上で、       ┃

┃そのすべての関係者が      ┃

┃損をしない提案をすることで、  ┃

┃営業・集客はスムーズになるのでは?┃

 

┃■とりわけ、          ┃

┃自己にない「ブランド力」を   ┃

┃相手が得する提案を行いつつ、  ┃

┃信用補完として組織化する点は  ┃

┃秀逸ではないだろうか      ┃

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┃発行者: (合田啓作)
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