平成28年10月19日 Street & Book Smart 17号
■【適度・適切な不安こそ、変化・成長を確かめるセンサー】
合田啓作(ごうだけいさく)
<今日の活動ドキュメンタリー>
■朝から授業×4+夕方から授業+夜から自社教室にて遠隔映像授業
■ 今日も朝から授業、授業、授業、授業!!!
その後、 夕方から現役生向けに授業をし、
移動して夜から自社教室にて遠隔映像授業でした。
■ 授業の合間合間に、複数の生徒さんから質問を受けました。
曰く「センター試験まで残り87日で、明らかに全て終わらなさそうなのですが。。。」
曰く「マーク模試と記述模試の点差が大きくて、どうすればいいですか」
曰く「元々九大の建築を目指していたのですが、早稲田の社学に変えようと思うんです。
どう思いますか?」
など、不安そうに質問されました。
■ 合間に読書。
九州大学・医学部教授の中山敬一氏の『君たちに伝えたい3つのこと』、
を読了。
以下、一部引用します。
□ 「「アムロの悲劇」=能力がすばぬけて高いのに志がない
「シャアの悲劇」=高い志がありながら能力が乏しい」
□「他人と違う道を理性的な戦略を持って選択すること、
これが人生の成功に対する第一条件です」
□「医学部を卒業すると、典型的な「ルーチンワーカー」である臨床医と、
典型的な「クリエイター」である研究者という正反対の道が待っているのです」
□「サイエンスというのは「◯◯病の治療に役立つから」とか
「◯◯症の診断に応用できそうだから」という、
近視眼的な目的のためにやっているのではない。
しかし、結果として、それが世のため人のためになればそれでいい、
と私は考えますし、そのくらいの気持ちでなければ、
大きな社会貢献につながるような本質的な発見はできないだろうと感じています。
そして、基礎的な研究の社会的貢献というものは、20~30年後に初めてわかる」
□「人生の設計に必要な3要素は、
志→目標→戦略
悪例)目標は非常に不明確なのに戦略ばかり立てたがる
悪例)世界で一流の研究をする、と言いながら、とりあえず2~3年は臨床医」
□「私の場合、高校時代に立てた人生目標は、
「知的好奇心を満たす」という1点でした」
□「「博士課程へ行ったら就職は難しい」
「博士課程へ行くのはとても危険だよ」
このようなことを言う人は、博士課程へ行って成功した人ではありません。
ところが意外なことに、博士課程へ行って失敗した人でもないのです。
博士課程へ行かなかった人、
行きたかったけれども勇気がなくて行けなかった人です。
自分がリスクを取らなかったから、
他人が勇気を持って人生を進んでいくのを見ることが辛いのです。
ですから、このような人の言うことは必ずネガティブな意見です。
真に受けてはいけません。」
□「「研修医の経験は研究にも役に立つのでしょうか」
結論から言うと、研修医の経験は研究にはまったく役に立ちません。
まったく初めての体験ばかりで、物事をじっくり考える暇もなく働き、
「自分は1人の医師として頑張って働いている」
という意識に充実感を覚えるかもしれません。
でも、これは頭を空っぽにして働いている人が陥りやすい一種の自己陶酔であって、
現実的には研修医は雑用係でしかありません。
臨床医としての真の喜びは、
知識と理論に裏付けされた診断および治療方針に、
自分の経験から来るさじ加減を加えて、
患者の自然治癒を助けることにあります」
□「研究者の素質は論理性なのです。
突飛なアイデアではなくて、
確実で緻密な思考能力が要求されます。
論理性がなければ論理にはずれたものを認識できませんから、
貴重な機会を逃してしまうでしょう。
逆説的ですが論理が非論理を生むのです」
□「理系の心
なぜ?と思う
→論理的に考える
→仮説を立てる
→実験をする
→メカニズムを知ろうとする」
□「論理力という素養がある×のめり込んで研究=研究者として開花
論理力という素養がない×のめり込んで研究=実験オタク・論文をまとめられない研究者」
□「不安と自信のなさが研究の面白さを失わせる大きな要因」
■ この引用を読んだだけでも、怒り狂いそうになる方が出るのでは?
と勝手にヒヤヒヤしました(笑)。
■ 中でも、
「不安と自信のなさが研究の面白さを失わせる大きな要因」
という言葉の指す「不安」とは、
行動の結果として感じる不安ではなく、
周囲の声を過度に気にしすぎたり、
経験したことがないのに極度に失敗を恐れる、
漠然とした不安である、
と私(合田)は理解しました。
■ 実は、このメルマガの読者の方には、
現役医学生の方や医師の方がかなり多くいらっしゃるのですが、
医学を学ばれている方で、
漠然と「臨床か?研究か?」と悩まれている方には、是非読んで頂きたい1冊です!
■それでは、
「今週のStreet & Book Smart Highlight(ハイライト) 」
(教育やビジネスにおいて、最高の結果を発揮するための重要ポイント)
をどうぞ。
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<Street & Book Smart Highlight(ハイライト)>
【適度・適切な不安こそ、変化・成長を確かめるセンサー】
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■冒頭で、
曰く「センター試験まで残り87日で、明らかに全て終わらなさそうなのですが。。。」
曰く「マーク模試と記述模試の点差が大きくて、どうすればいいですか」
曰く「元々九大の建築を目指していたのですが、早稲田の社学に変えようと思うんです。
どう思いますか?」
という生徒さんからの質問を列挙させて頂きました。
■ 上記に引用させて頂いた生徒さんの声を見て、
私(合田)が勝手に不安分類をさせて頂くと、
▲「センター試験まで残り87日で、明らかに全て終わらなさそうなのですが。。。」
=行動の結果としてわかる不安。全国の真摯で努力家の受験生は全員感じている。
▲「マーク模試と記述模試の点差が大きくて、どうすればいいですか」
=行動の結果としてわかる不安。模試を受けてはじめて、両者の差に気付けている。
ただし、ここで問題・原因分析をおろそかにしたまま進むと、
「漠然とした不安」に変わり、全身が毒に冒される可能性があるので、
原因の特定と具体的対応策までおとこしむ必要あり。
▲「元々九大の建築を目指していたのですが、
早稲田の社学に変えようと思うんです。
どう思いますか?」
=ほぼ間違いなく漠然とした不安。九大の建築であれ、早稲田の社学であれ、
恐らく具体的な経験に基づいたリアルな志望動機がなく、
偏差値や周囲のすすめ、
なんとなく漠然としたイメージに基づいて
志望先を変えているだけ。
■ 私(合田)自身も、極度の怖がりで、
昔よく母に、「アンタはビビりだから」と
耳にタコができるほど言われていました(汗)
もちろん、「ビビり」には一長一短あるのですが、
「ビビり」でいるからこそ他者へのセンサーが常に稼働し、
「ビビり」でいるからこそもっとよくできるのではないかと改善の余地に気づき、
「ビビり」でいるからこそ生徒さんに気軽に質問することができ、
「ビビり」でいるからこそ、「自分はまだまだ始まってもいない」と思えます。
■ さらに例を挙げるならば、
私(合田)にとって、国語(日本語)は苦手科目だったのですが、
苦手→やらない、
とならずに、
苦手→わからない→どうなっているのだろう?→仮説→実験→検証
という回路を経由したことで、
結果的に職業になってしまいましたし、
かつてと今で比べるならば、
より広大な日本語の世界の広がりが見えるようになり、
その広大さに気づいたが故の「間に合わない」感や不安は大きくなりました。
■ 冒頭で引用した中山氏が述べる
「不安と自信のなさが研究の面白さを失わせる大きな要因」
という言葉が示す不安とは、
【不安→わからない→どうなっているのだろう?→仮説→実験行動→検証】
ではなく、
【不安→やらない→漠然とした不安の増幅】
や、
【不安→やらない→どこかにある正解を探す→自分で戦略を立てない・決めない→不安のまま】
や、さらには、
【不安→先に情報を集め過ぎる→行動によるフィードバックが得られない→不安のまま】
であろうと私(合田)の実体験と照らしても推測できます。
■ 行動の前や過程には、適度な不安が必要であり、
行動の後や結果には、遠大な広がりを知ったが故の新たな不安があり、
不安を消し去ることもできないし、消し去る必要もないのではないでしょうか。
むしろ、適度・適切な不安を感じられているかどうかこそが、
変化・成長の進捗を確かめる重要なセンサーになるのではないでしょうか。
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【Street & Book Smart Highlight】 ┃
┃ ┃
┃■行動しない漠然とした不安と、 ┃
┃ ┃
┃ 行動途中や行動後の不安は、 ┃
┃ ┃
┃ 似て非なるものである ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃■ 適度・適切な不安があるからこそ、 ┃
┃ ┃
┃ 改善が可能となり、 ┃
┃ ┃
┃ 他者に質問することが可能となり、 ┃
┃ ┃
┃ まだ始まっていないと思うことができ┃
┃ ┃
┃ 変化・成長の伸びしろとして、 ┃
┃ ┃
┃ エンジンにすることができる ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃■周囲の声を過度に気にしすぎたり、 ┃
┃ ┃
┃ 経験したことがないのに、 ┃
┃ ┃
┃ 極度に失敗を恐れる状態が、 ┃
┃ ┃
┃ 漠然とした不安である、 ┃
┃ ┃
┃ 行動の前や過程には、 ┃
┃ ┃
┃ 適度な不安が必要である ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃■行動の後や結果には、 ┃
┃ ┃
┃広がりを知ったが故の新たな不安があり┃
┃ ┃
┃不安を消し去ることもできないし、 ┃
┃ ┃
┃消し去る必要もないのではないか。 ┃
┃ ┃
┃むしろ、 ┃
┃ ┃
┃適度・適切な不安を感じるかどうか ┃
┃ ┃
┃こそが、 ┃
┃ ┃
┃変化・成長の進捗を確かめる上で ┃
┃ ┃
┃重要なセンサーになる ┃
┃ ┃
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┃発行者 : (合田啓作)
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